神話と宮崎-Ⅰ
宮崎空港に天孫降臨!
天孫降臨神話加わり「祭り百景」リニューアルオープン
宮崎空港ターミナルビル30周年記念事業&国文祭・芸文祭宮崎2020協力事業として、2020年に2階国内線出発ロビー横に「記紀編さん1300年 神話のふるさとみやざき祭り百景」のジオラマがリニューアルオープンしている。
「1990年の空港ターミナルビルオープンのときに、神話のふるさと宮崎を県内外に発信する目的で、紙人形作家の貴島八重子先生と『宮崎の祭り』を制作させていただきました。30年経って、これに宮崎の地に伝わる天孫降臨神話を登場させてはと、提案させていただきました」
20年ぶりに人形を綺麗にして元の位置に
モニターも大きくなってリニューアル
宮崎の祭と神話「天孫降臨」がコラボ
天孫降臨神話とは、太陽神であるアマテラスオオミカミが地上の国を治めようと孫のニニギノミコトを天上から地上に遣(つか)わしたという神話物語で、ニニギノミコトが降り立った地が「日向の高千穂のクジフル岳」(古事記)とあることから、宮崎が天孫降臨の地と伝わっている。
「宮崎は祭りが多く、神楽だけでも200か所以上行われていて全部観ようとすると20年以上かかるそうです。『神話のふるさとみやざき祭り百景』なら一度に宮崎の祭りがたくさん知ることができます。天上から地上に降り立つ天孫降臨も空港のイメージと重なっていますしね」(萩原)
天孫降臨の人形は、人形作家の岩切映美子先生制作によるもので、透明感のある神々しい表情の神々20体が、これまで30年繰り広げてきた祭りとともに違和感なく一つの世界を作り出している。祭の人形も一体一体綺麗にしたりモニターも新しく大きくなりリニューアルオープンしました。ジオラマは幅4メートルで、県内33か所の祭り映像映像も更新している。宮崎ブーゲンビリア空港に行った際はぜひを見てほしい。
神話と宮崎-Ⅱ
「神武さま」で神々のパレード!
宮崎ゆかりの19神 沿道歩く
宮崎の秋を彩る県下最大のお祭りといえば「宮崎神宮大祭」だ。さまざまな衣装に身を包んだ行列が宮崎のまちを賑々しくパレードするご神幸祭は「神武さま」と呼ばれ親しまれている。宮崎市の「記紀編さん1300年」記念事業の「神々のパレード」を紹介しよう。
古事記が完成した712年(和銅5)と日本書紀が完成した720年(養老4)から1,300年後を「記紀編さん1300年」(2012年~2020年)とし各地で記念事業が行われた。宮崎市では記念事業の一つとして「神々のパレード」を神武さまのご神幸祭で披露している。それぞれの神様に扮した宮崎ゆかりの11神から始まったパレードは、最終的には19神がご神幸祭に加わり沿道の人々にアピールしながら歩いて「神武さま」を盛り上げている。
宮崎神宮大祭「神々のパレード」
宮崎神宮大祭「神々のパレード」のヘアーメイクは、
日章学園ヘアーメイク科の先生と生徒さん達に担当してもらいました
宮崎神宮大祭「アマテラスの山車」高さ4mで180゜回転します
神様たちと日章学園の生徒達
日章学園のヘアメイク科が全面協力に感謝!!
さて、この「神々のパレード」の衣装制作は、それぞれの神様のイメージを描くことから始めた。たとえばコノハナサクヤヒメは「桜の花のイメージだからピンクでまとめて桜の枝を持たせた。髪はいわゆる緑の黒髪で美しいストレートヘアで」と、デザイン画を起こした河野真紀さんは明かす。デザインが決まったら生地を選んで発注し、仕立てるのは服作りの専門家にお願いした。世界に一着だけのまさにオーダーメイドだ。剣や首飾りや冠等の小物のひとつひとつも1点モノで専門の業者と相談しながら作り上げていった。 髪型は、日章学園ヘアーアート科の生徒たちに、あらかじめ渡したデザイン画をもとに作り上げてもらった。生徒たちもまた、かつらを作るにあたって、神様のイメージを作るところから勉強してくれたのだと聞いた。
祭り当日、生徒たちが仕上げて持ちこんだかつらを、衣装を着け終わった「神様」たちにセットしていきメイクまで終えた「神様」が次々に出来上がっていった。生徒たちにとっては日頃の勉強の成果を実践できる場だからと、日章学園の先生方の全面的な協力もいただいた。 当日は生徒も先生もご神幸祭に加わって「神様」たちのヘアースタイルをサポートしながら法被姿で4キロメートルの道のりを一緒に歩いた。先生方は、その後の夜の部のイベントと終了後の片付けまでと暗くなるまで残ってもらった。この時期の日章学園は実は学園祭と重なっており、学校としては特に多忙な時期にあたる。 いろいろな人々の協力の下に行われる「神武さま」だが、2020年はやむを得ず中止となった。2年振りとなる今年は無事開催されるよう願っている。